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ごぶさたしています。 [つれづれ]

 みなさま、おひさしぶりです、お元気でいらっしゃいますか?(^_^)


http://www.allposters.com/ Triplets(c)Unknown
 私は、こんな感じで手一杯ながら・・・何とか元気でやっています。(^_^;)


http://www.allposters.com/ No Evil(c)John Drysdale
 時には色々な出来事に驚いたり、あたまを抱えたりしながらも・・・。(@_@)


http://www.allposters.com/ Milk Buddy(c)Unknown
 笑顔で楽しく、忙しい中にも充実した日々を過ごしています。(^o^)


http://www.allposters.com/ Joy Ride(c)John Drysdale
 まだ本格的な更新は出来ませんが、時々ゆっくり戻ってきたいと思います。

 取り急ぎ、近況のご報告まで。それではまた、お会い出来ます日を楽しみに・・・。(^_^)

 
 

 
 


お知らせとごあいさつ。 [ぶろぐ]

 今日は、大切なお知らせがあります...。(*'_'*)

 
http://www.allposters.com/ "Petit Parisien"(C)Willy Ronis

 昨日のブログ記事を書いた後に、ある連絡が入りました。ここ数年来やっていたプロジェクトに関係するもので、とても良い知らせでした。頑張って来た事が報われた内容でしたので、私自身とても嬉しかったです。これでようやく次のステップに進む事が出来ます。海外と行ったり来たりの生活はこれからも続きますが、とりあえず今までやって来た事に一区切りが付きましたし、これまでの事を考えると感慨深いものがあります。


http://www.allposters.com/ "Musician in The Rain"(C)Robert Doisneau

 ただこれに関連して、来週からさっそく新しいプロジェクトが始まりる事となりました。私がそれを一任される事になりますので、これから今よりもさらに忙しくなります。今日から来週に向けて既に始動中で、そういう事で本当に残念ですが、ブログの方は今まで通りにやる事が出来なくなりました。これからはブログでみなさまから頂きましたエネルギーを胸に、ノンバーチャルの世界でも引き続き頑張りたいと思います。


http://www.allposters.com/ "France"(C)Elliott Erwitt

 日本語で表現する事を大事にしたいと思っていますので、今後もこのブログは閉めずにこのまま残しておき、定期的にチェックに参ります。これからしばらくお休みさせて頂く事になるかと思いますが、お約束して書き貯めてある記事もたくさんありますので、そのUPのために不定期ながら例えば月に1回ほどの更新も考えています。時々みなさまのところにお伺いさせて頂く事もあるかと思いますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。


http://www.allposters.com/ "The World Of Kim Anderson II"(C)Kim Anderson

みなさまの御多幸と、さらなる御発展をお祈りしつつ...。(*'_'*)


http://www.allposters.com/ "Grand Central Station, New York, c 1930"(C)Hal Morey


原作『指輪物語』について。 [おきにいり]

【*今日(2月4日)の記事のTB編集中に、この回(2月3日)の記事が消えてしまいました。通常の操作中に突然このような事になりました。かなり動きづらかった直後に起きましたので、ソネブロの不調と関係があると思います。バックアップを取ってありましたので、そちらを再録させて頂きます。皆様から頂いたnice!とコメントが、その分消えてしまっています、大変申し訳ありません。便宜的に記事作成時と同じ日付にしてあります。】

 今日は、映画ロード・オブ・ザ・リング』(LOTR)の原作のご紹介をさせて頂きます。(*'_'*)


The Fellowship of the Ring (Lord of the Rings (Paperback))

The Fellowship of the Ring (Lord of the Rings (Paperback))


 『指輪物語』(原題:The Lord of the Rings)は、J・R・R・トールキン作のファンタジー作品です。英語のもともとの書名"The Lord of the Rings"は、モルドールの冥王サウロンに由来しており、「支配する指輪(一つの指輪)」を作成した事から「指輪の王」と呼ばれ、これが書名となりました。

The Hobbit : The Enchanting Prelude to The Lord of the Rings

The Hobbit : The Enchanting Prelude to The Lord of the Rings

  • 作者: J. R. R. Tolkien
  • 出版社/メーカー: Ballantine Books (Mm)
  • 発売日: 1992/01
  • メディア: マスマーケット


 実はこの3部作は初期作品『ホビットの冒険』の続編であり、トールキンは、『ホビットの冒険』を書いた後、別の本を書くつもりはなかったそうです。そこを出版社に説得され書き始めました。トールキンは当初、作品を大きな一巻本で刊行しようと考えていたそうで、その意味では、『指輪物語』三部作と呼ばれるのは正確ではありません。

The Lord of the Rings: The Return of the King

The Lord of the Rings: The Return of the King

  • 作者: J.R.R. Tolkien
  • 出版社/メーカー: HarperCollins
  • 発売日: 2005/10/17
  • メディア: ハードカバー


 さまざまな経緯を経て、1960年代半ばにはアメリカでも大変有名になり、文化的現象と呼ばれるまでになりました。1960年代には『指輪物語』の影響で、アーシュラ・K・ル=グウィン の『ゲド戦記』など、このジャンルの多くの良書が出版されました。1987年、テキストの電子化により、英米のテキストがようやくほぼ一致しました。

The Lord of the Rings

The Lord of the Rings

  • 作者: J. R. R. Tolkien
  • 出版社/メーカー: Harper Audio
  • 発売日: 1988/09
  • メディア: カセット


 内容やプロットの似た派生本も、この後にたくさん現れました。『指輪物語』の筋をなぞっただけの派生品については一般に、トルキニスク(Tolkienesque)という用語が使われるようになりました。これは、魔法のファンタジーの世界を邪悪な冥王や魔王の軍隊から救う冒険者のグループ…というパターンのお話を指します。

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1

新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1

  • 作者: J.R.R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


 日本では1972年から1975年にかけて、有名な瀬田貞二訳の全6巻が評論社から出版され、1977年には同社から文庫版全6巻が出版されました。瀬田氏亡き後の1992年には、共訳者であった田中明子氏が全面的に見直し、追加も含めてようやく全訳となりました。2003年には、文庫の第10巻『追補編』が発行されています。

新版 指輪物語〈4〉旅の仲間 下2

新版 指輪物語〈4〉旅の仲間 下2

  • 作者: J.R.R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


 日本語訳が読みづらいという声も聞かれますが、今日はこの経緯について書きたいと思います。実は作中にある固有名詞を翻訳するにあたっては、各国の言語にそれぞれ可能な限り修正するようにというトールキンの意向があったのだそうです。それを反映して、瀬田貞二訳では幾つかの人名や地名が日本語に翻訳されています。

ホビットの冒険 オリジナル版

ホビットの冒険 オリジナル版

  • 作者: J. R. R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/12/07
  • メディア: 単行本


 私が子供の頃、最初に読んだ『ホビット』と『指輪物語』は英語版でした。日本に戻って来てしばらくしてから、朗読のボランティアをした時に、『指輪物語』を読んで欲しいという希望があって、私自身大好きな作品なので引き受けたのですが、その時に初めて日本語版を読みました。一番面白く感じたのが、この日本語版の人名や地名です。

新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下

新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下

  • 作者: J.R.R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


 有名なところを幾つかご紹介しますと、まず物語全体の地域"Middle-earth"は「中つ国」、フロド達の村"The Shire "は「ホビット庄」、フロド達を追いかける"Black Riders"は「黒の乗手」、ガンダルフの馬"Shadowfax"は「飛蔭」、ゾウの様な生き物"Oliphaunt"は「じゅう」と、それぞれ命名されていました。とても新鮮でした。

新版 指輪物語〈6〉二つの塔 上2

新版 指輪物語〈6〉二つの塔 上2

  • 作者: J.R.R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


 そしてゴラム(Gollum)はゴクリに、またフロドが持つ剣"Sting"は「つらぬき丸」、またアラゴルンは森のレンジャー時代にはストライダー(Strider)と呼ばれていましたが、これは「馳夫」という風に訳されていました。また有名なゴクリの「いとしいしと」は、原作や映画では“my precious”です。瀬田訳はトールキンの原作の格調高さを正確かつ独創的に表現している為、現代の文脈では読みづらいという事になるのかもしれません。

新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上

新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上

  • 作者: J.R.R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


 オックスフォード大学の教授であったトールキンは、おとぎ話、北欧神話、ケルト神話、言語学に対する自らの興味から『指輪物語』を執筆しました。トールキン自身は『指輪物語』をカトリック的な宗教的作品と考えているところがあったようですが、基本的には何の寓話的意味合いも含まないとしています。

新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下

新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下

  • 作者: J.R.R. トールキン
  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07
  • メディア: 文庫


 しかしながら、当時この指輪は原子爆弾の寓話であるとされ、ベトナム戦争時には「ガンダルフを大統領に!」という声がアメリカで広がったほどの影響を世界に与えました。このように『指輪物語』は約四半世紀にわたって、様々な影響を大衆文化に与えて来ました。この数年来のブームは、実はその幾つ目かのピークだったという訳です。


The Lord Of The Ring: The Return Of The Ring(Houghton Muffin)

この続きは、また別の機会にあらためて書きたいと思います。(*'_'*)お楽しみ♪




ハリー、フロドに間違えられる。 [おきにいり]

 今日は閑話休題、映画ロード・オブ・ザ・リング』(LOTR)に関するよもやま話を...。(*'_'*)


http://www.allposters.com/ イライジャ・ウッド(Ellijah Wood )

 フロド・バギンズ役を演じたイライジャ・ウッドは、その印象的な瞳で子役時代から大変有名でした。様々な映画に出演した後に、本来イギリスの俳優によって演じられる予定だった、LOTRの主役であるフロド役に抜擢されました。フロドをやる為に生まれて来たとまで言われた彼、実際大変なはまり役&出世作となったのは事実です。


"The Lord Of The Ring - The Fellowship Of The Ring"

 『スター・ウォーズ』の主人公を演じたマーク・ハミルのように、この映画の後にフロドのイメージから抜け出せなくなる事を心配する声までありました。ですが本人はいたってマイペースのようで、今までもかなり個性的な役を演じて来ているので、その心配は余りしていない様です。さて、当時このポスターに似ていると言われたのが...。


"Harry Potter and The Philosopher's Stone "

...そう、ハリー・ポッターのこのポスターでした。同じくファンタジーであった事、公開時期が近かった事、構図的な類似性その他色々あったと思うのですが、一番の理由はこのハリー役のダニエル・ラドクリフ君と、フロド役のイライジャ・ウッドが似ているという事だったように思います。これでちょっとした笑い話が一つ...。


http://www.allposters.com/ ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)

 アメリカのある雑誌でのインタビューに出ていたのですが、ダニエル君は実際、イライジャによく間違われるんだそうで、何度かイライジャのファンに頼まれてサインしてあげた事があるらしいです。「イライジャはボクも尊敬しているとても素敵な人だから、間違われるのは光栄だし、ファンの人に申し訳ないから...。」とダニエル君。いい子だ...(涙)。


http://www.allposters.com/ "Harry Potter and The Prisoner Of Azkaban"

 まだ二人での共演はありませんが、兄弟の役などしたら面白そうですよね...。アメリカとイギリスの違いはありますが、二人とも子役時代から注目を浴びて来た俳優同士、これからますますの活躍が期待されます。『ハリー・ポッター』シリーズについても、原作と映画を含めていつか書きたいと思っています、どうぞお楽しみに♪


"The Lord Of The Ring - The Fellowship Of The Ring" Hobbits

明日も引き続きLOTR関連のお話を書いていく予定です。(*'_'*)お楽しみに♪


映画『ロード・オブ・ザ・キング 王の帰還』について。 [おきにいり]

 今日から2月が始まりました、時間が経つのは早いですね...。(*'_'*)


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Aragorn With Sword


  今日はピータージャクソン(以下、PJ)監督による、全てのファンタジーの金字塔である『指輪物語』の映画化、『ロード・オブ・ザ・リング(以下LOTR)』3部作から、第3作目である『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』についてご紹介させて頂きます。本作は全3作の完結編であり、フロド達の長くて苦しい旅の終わりとその後が描かれていきます。観ている私達自身、この映画と“旅の仲間”に別れを告げなければならない事がつらい映画でもありました。フロドとサムの指輪を捨てる為の旅がクライマックスを迎え、また人間の国ゴンドールの都ミナス・ティリスを陥落させようと、指輪の創造主、冥王サウロンの強大な軍が攻め込んで来ます。ストーリー展開もCGの迫力も、全2作を越える迫力です。それぞれの登場人物の人間ドラマが繰り広げられ、愛やきずな、別れや死といった物語が展開され、映画の娯楽性と芸術性を併せ持った素晴らしい作品に仕上がっています。LOTRは、アカデミー賞で史上最多の全11部門を獲得しました。全てに見所が満載の映画ですが、何と言ってもまずは表題である『王の帰還』について書かなければなりません。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Aragorn With Crown

Beyond Movie - Lord of Rings: Return of the King

Beyond Movie - Lord of Rings: Return of the King

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2003/12/16
  • メディア: DVD


 王の一族の身分であるにもかかわらず、長く亡命生活を送り、自らの身分を隠していたアラゴルンが、人間を救う為に自ら王となる決意をします。フロドとサムが指輪の為の旅を続けている事を信じて、自らの使命を受けて「フロドのために」とサウロンの軍に立ち向かって行く姿は、思い出すだけで胸が一杯になってしまう程です。実はこのような偉大な王の伝説は、イギリスではアーサー王を初めとして様々に語り継がれている訳ですが、そこには幾つかのパターンがあります。そのうち自ら望んだ訳ではなく王になるというのも、そういった王の伝説の一つのパターンとなっています。アラゴルンの物語は、実はこのような伝統の系譜にあり、これは原作者のトールキンが十分に意図したものだと思います。このあたりの歴史的な詳細については、アメリカでも放映されていた『ナショナル・ジオグラフィック』のドキュメンタリーに詳しく出ています。日本語版の制作が待たれるところですね。これは実は素晴らしいリーダー論研究にもなっていて、アラゴルンの人生の格闘に人々が何を投影させて見ているのかがよくわかる作品になっています。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Frodo

 そしてもう一つの軸は、指輪をめぐるフロドの旅の結末です。冥王サウロンの指輪を葬る旅の途中、アラゴルンたちと別れてしまったフロドとサムは、ゴラムの案内で滅びの山へと近づいて行きます。しかし指輪を取り戻したいゴラムは、実は2人を陥れる計画を練っていました。指輪の魔力によってますます深まるフロドの苦悩、それを命がけで支えて行くサム。果たして指輪は無事に破壊されるのかー最後まで息つく暇を与えない緊張感のある展開は、全体が3時間以上の長編であるという事を私達に忘れさせるほどです。ここでやはり最も印象的なのは、フロドを見守り続けるサムの姿ではないでしょうか。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Frodo And Sam

 指輪の力に心を蝕まれていくフロドを勇気付け、最後まで信念を失わない姿は、どんなに小さな存在でも世界を変える事が出来るというメッセージに満ちあふれていると言えるでしょう。『指輪物語』は実はサムの物語であると言われるゆえんは、サムのこのような役割によるところが大きいと思います。またそれぞれの登場人物達のドラマがとても丹念に描かれているのもこの映画の特徴です。これについて全て書き切る事は到底出来ませんし、まだ原作を読んでいない、または映画をご覧になっていらっしゃらない方の為にも、詳細については敢えて書かない事と致しますが、これから『指輪物語』について書いていく中で、関連する範囲で触れて行きたいと思います。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Weapons And Warfare

The Lord of the Rings: The Return of the King [Original Motion Picture Soundtrack]

The Lord of the Rings: The Return of the King [Original Motion Picture Soundtrack]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 2003/11/25
  • メディア: CD


 このPJによるLOTR3部作の最後を飾る「王の帰還」のサウンドトラック盤も、大変素晴らしい仕上がりとなっています。ハワード・ショアが、前の2作に引き続き担当していますが、その独特のサウンドは登場人物達の心の動きや、ますます重く荘厳になっている作品の雰囲気を良く表現したものになっていると思います。本作も多彩なメンバーが参加していますが、まずクラシックからは世界的に有名なフルート奏者であるサー・ジェームズ・ゴールドウェイやレネ・フレミングが、またポップス界からはアニー・レノックスがゲスト参加しています。そして何と言ってもファンに嬉しいのは、アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセン、そしてピピン役のビリー・ボイドがその歌声を披露している事です。ヴィゴはアーティストとして多彩な活動をしている事もあって自らのCDも出しているほどで、この歌も彼の作曲によるものです。またビリーは実際に歌手としても活動しているほどですので、映画の中でのあの美声は頷けますね。作り手の作品への愛が随所に聴き取れるサントラとなっていると思います。


"Medusa" Annie Lennox  アニー・レノックス公式HP: http://www.alennox.net/

Medusa/Live in Central Park

Medusa/Live in Central Park

  • アーティスト: Annie Lennox
  • 出版社/メーカー: BMG International
  • 発売日: 1998/09/29
  • メディア: CD


 今日は最後に、この完結編である第3作のエンディング曲を歌った、アニー・レノックス(Annie Lennox)についてご紹介させて頂きます。男女二人のユニットとして80年代に大活躍したグループ、ユーリズミックス(Eurythmics)のボーカルであり、その中性的な魅力と“男装の麗人”というポップアイコンとしての外見が特徴的なアーティストとして多彩な活動をしてきました。本国イギリスはもちろん世界中にファンを持つアニー、現在はユーリズミックスとしての活動も再開していますが、特に近年のソロとしての活動は、彼女のアーティスト、そしてヴォーカリストとしての円熟を証明するものとなっています。激動の時代を経て、ようやく自分のやりたい音楽が出来るようになった、ソロ時代の楽曲にはそのような伸びやかさが感じられます。それを楽しむアニーの歌声には、これまでのしなやかな個性に加え、母としての暖かさや強さも満ちあふれているように思います。アニーの公式HPでは、彼女の活動の様々な様相を楽しむ事が出来ます。2004年に行ったスティングとのツアーの様子も観る事が出来ます。


"Into The West (Album Version)" Annie Lennox

 そのアニーの歌声を、LOTRの最後の最後に聴く事になるとは、ユーリズミックス結成時以来のファンであった私にも予想がつきませんでした。特にユーリズミックス時代の印象が強かった方にはなおさら意外に思われたでしょう。またユーリズミックスやアニーを知らない方々も、一番最後にポップとロックの色彩の強い歌が流れて来たことに違和感を持たれたところが少しあったのではないでしょうか。これには色々な理由があるように思いますが、PJもハワード・ショアも、アニーが最後にエンディング曲を歌った事に大変満足している様です。彼女のスケールの大きな歌声は、LOTRの最後のあの曲、"Into The West"の曲の雰囲気にピッタリでしたし、何より私達を現実の世界に引き戻してくれる力があったように思います。「旅は終わりに近づいている...なぜ悲しいの...今は静かに眠って...水平線の向こうには何が見える?...白い岸が呼んでいる...私達は家に帰る...グレーの船に乗って...海を渡って西へと向かうの...」。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King"

 最後に流れるアニーのこの曲を聴いて、私達はこの数年にわたったLOTRとの旅が終わった事をあらためて痛感しました。私達をなぐさめるように響き渡るスケールの大きな歌声...。あの3部作を観た後に、現実の世界に戻るのに苦労した方々も多かったのではないでしょうか。戦いに勝った側も負けた側も、西へと向かった人達も...全ては大きな歴史の中の1ページであって、みんな既にここにはいない。それを痛感すると、大きな喪失感に見舞われたものです。PJもインタビューで話していましたが、現代のおとぎ話としてのLOTRが大団円を迎えて終わった後に、そこから受け取ったメッセージを胸に、私達はまた毎日の生活の中に戻り頑張っていかなくてはならない...アニーのエンディング曲の起用には、そういったメッセージが込められていたように思うのです。そのPJの狙いは見事に成功したのではないでしょうか。アニー・レノックスが歌った曲"Into The West"は2003年アカデミー賞の歌曲賞を受賞しました。アニーの今後一層の活躍をファンとしても期待しています。

明日からは映画だけでなく原作についても一緒に書いていく予定です。(*'_'*)お楽しみに♪


映画『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』について。 [おきにいり]

 さて、今日はいよいよ、強烈なキャラクターを持つあの方の登場です...。(*'_'*)


http://www.allposters.com/ "The Lord Of The Ring - Two Towers"


  今日はピータージャクソン(以下、PJ)監督による、全てのファンタジーの原点と言われる『指輪物語』の映画化、『ロード・オブ・ザ・リング(以下LOTR)』3部作から、第2作目である『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』についてご紹介させて頂きます。本作は第1作と第3作の橋渡しの役割を持つ作品ですが、前作のラストで別れ別れになった「旅の仲間」たちの過酷な運命が描かれていきます。離ればなれになった旅の仲間、フロドとサム、ピピンとメリー、そしてアラゴルンたちという3つのグループのドラマがそれぞれ代わるがわる登場し、とても引き締まったストーリーが展開されていきます。


"The Lord Of The Ring - Two Towers" Aragorn in the Battle Scene
後半の「ヘルム峡谷の戦い」では、1万の大軍がCGで映像化され、迫力と様式美にあふれたシーンが続きます。また夜間の撮影という事もあり、実際にこの戦闘シーンではけが人が続出した模様です。詳しい事は『二つの塔』のDVDのメイキングをご覧になって頂きたいと思いますが、アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンもケガをしながらの大奮闘だったようです。全体に大変重苦しい雰囲気が漂うこの第2作、ヘルム峡谷の戦いはそれを象徴的に表していると言えるでしょう。まだ観ていらっしゃらない方もいらっしゃると思いますので、あまり細かいプロットは敢えて書きませんが、第1作目から続くストーリーとして、大変重要な人物の復活もあります。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Frodo and Sam
 また第3作目へと続く伏線が多く含まれているのも、この作品の特徴です。例えばますます深まるフロドの苦悩を支えるのは、フロドの親友であり、僕(しもべ)のように彼を助けるサムの勇気ある行動です。サムのさらなる真の勇気が試されるのは第3作ですが、そこへといたる第2作である今回、作品のクライマックスでのサムの台詞には、勇気ある物語が語り継がれて行く事の大切さへのメッセージが込められているように思います。そして二人をつねに狙うゴラムの悲しい歴史も次第に明らかになっていきます。ゴラムを演じるアンディ・サーキスは、同じくPJの『キングコング』にも出演しています。彼の演技によって命を吹き込まれたゴラムは、あのタイプの特殊撮影による初のキャラクターとして映画史に残る存在と言って良いでしょう。


"The Lord Of The Ring - The Return Of The King" Gollum Smiling

The Lord of the Rings: The Two Towers [Original Motion Picture Soundtrack]

The Lord of the Rings: The Two Towers [Original Motion Picture Soundtrack]

  • アーティスト: Howard Shore, Howard Shore, London Philharmonic Orchestra, Ben Del Maestro, Elizabeth Fraser, Emiliana Torrini, Isabel Bayrakdarian, Sheila Chandra
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 2002/12/10
  • メディア: CD


 実はこのゴラム、シリーズの中でも大変人気のあるキャラクターです。決して明るいキャラではなく、ある意味でダークな存在の象徴でもあるゴラム。しかし彼がどうしてこのようになったのかというところに、おそらく誰もが持つ弱さの様な部分で共感する人達が多いのがその理由なのでしょう。これは第1作に登場したボロミア(ショーン・ビーン自身がかなりハンサムですが)に大変人気があるのと似ている部分かも知れません。第2作のサントラでは、第1作に加えてこういった悲しみが一層表現された音楽が増えています。ワーグナー風のドラマチックな音楽が展開され、映画のストーリーをなぞるように、さらに重苦しく不吉な影が濃くなっていきます。前作ではホビット族をイメージした牧歌的なナンバーが多かったのですが、それに代わって本作では、多彩でエスニックな曲によって、ミドルアース(中つ国)と人の世の有様が表現されています。


"Fisherman's Woman" Emiliana Torrini

Fisherman's Woman

Fisherman's Woman

  • アーティスト: Emiliana Torrini
  • 出版社/メーカー: Rough Trade (Hep400)
  • 発売日: 2005/04/26
  • メディア: CD


 また本作の特徴は、ヴォーカル参加アーティストの多彩さです。エリザベス・フレイザー(Elizabeth Fraser、コクトー・ツインズのヴォーカル)、シーラ・チャンドラ(Sheila Chandra、ピーター・ガブリエルの「リアル・ワールド」レーベル所属のインド系女性ヴォーカリスト)を始め、インディーズのポップ・スターの多彩なソロ・ナンバーが、いにしえの世界の神聖な雰囲気を映画にもたらしています。そしてその中でも何と言ってもインパクトがあったのは、ハワード・ショア、そして作詞のフラン・ウォルシュとのコラボレートによる「ゴラムの歌(Gollum's Song)」を歌った、エミリアナ・トリーニ(Emiliana Torrini)の歌声でした。今日は彼女の経歴とその歌声についてご紹介したいと思います。


"Love In The Time Of Science" Emiliana Torrini

To Be Free

To Be Free

  • アーティスト: Emiliana Torrini
  • 出版社/メーカー: One Little Indian
  • 発売日: 2001/01/22
  • メディア: CD


 あの恐ろしいまでにゴラムの苦悩が表現された歌ー映画で驚かれた方々も多いと思います。あの一度聴いたら忘れられない歌声。第1作目のエンヤ、また明日ご紹介する予定の、第3作目のユーリズミックスのアン・レノックスに比べると、世界的な知名度は低かったエミリアナ・トリーニですが、本作の熱唱で一躍有名になりました。彼女は実はビョーク主催のレーベル「ワン・リトル・インディアン」に見出されたアイスランド出身の女性ヴォーカリストで、カイリー・ミノーグに楽曲(大ヒットした"Slow"は彼女の作品)を提供する等の活動をしていますが、この「ゴラムの歌(Gollum's Song)」を歌うまでは、知る人ぞ知るという感じのアーティストでした。


"Vespertine" Bjork

Post

Post

  • アーティスト: Bjork
  • 出版社/メーカー: Elektra / Wea
  • 発売日: 1995/06/13
  • メディア: CD


 ビョークがもしかして第一候補だったのではというウワサもありましたが定かではありません。しかしエミリアナ・トリーニの歌によってビョーク風のポストモダン的な苦悩とテイストが持ちこまれ、この映画の現代のおとぎ話的な要素をさらに強めたのは明らかなように思います。私はビョークは大好きですが、アイスランド人とイタリア人の両親を持つエミリアナ・トリーニの叙情的で情熱的な歌声は、ある意味で本作ではビョークよりもふさわしかったのではないかと思っています。このエミリアナ・トリーニ、去年はフル・アルバムとしては前作から約6年ぶりの『Fisherman's Woman』を発売し、ヨーロッパ・ツアーを行ったり、ヴェネチア映画祭では審査員を務める等精力的に活動を行い、日本にも来日しています。あの一度聴いたら忘れられない歌声で、今後ますますの活躍が期待される注目のアーティストです。


"The Lord Of The Ring - Two Towers" Official Photo Guide

 明日も引き続き、LOTR映画について書いていこうと思います。(*'_'*)お楽しみに♪


映画『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』について。 [おきにいり]

 今日は映画ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』についてのお話です。(*'_'*)


http://www.allposters.com/ "The Lord Of The Ring - The Fellowship Of The Ring"


 昨日少し書きましたが、古典的な映画の名作である『キングコング』をリメイクする事は、『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語、以下LOTR)』3部作で名実共に世界の映画監督となった、ピータージャクソン(以下、PJ)監督の子供の頃からの悲願でした。またPJにとってはトールキン原作の『指輪物語』も子供の頃からの愛読書で、その映画化をずっと夢見ていた作品でした。しかし夢の実現までの道は決して平坦なものではありませんでした。幾つかのいわゆるB級ホラー系映画の撮影の後、衝撃的な実話に基づく映画『乙女の祈り』(名作です)によって脚光を浴びたPJは、その後キャリアを確実にアップして行きます。そして当初到底無理だと言われた、LOTR三部作の制作を一挙に行うプランを立てた訳ですが、その賭けが成功した事は既にご存知の通りです。そのような緊張感の中で公開されたのがこの第1作目でした。


"One Ring... To Rule Them All..." One Ring And Frodo

 この壮大なトリロジー(三部作)は、J.R.R.トールキン原作の『指輪物語』の映画化です。その第1部であった本作『旅の仲間(フェローシップ・オブ・ザ・リング)』は、冥王サウロンが世界を滅ぼす邪悪な指輪を失った経緯から始まります。数奇な運命でそれを手にしたフロドが、その指輪を破壊する為に、自らを犠牲にして「滅びの亀裂」と呼ばれる火口へと旅立ちます。その指輪の魔力は大変強く、人間はその力に翻弄されていきます。本作では、これに魅せられて破滅していく人間の姿が徹底的に描かれています。獰猛なサウロンの部下達から逃げるフロド達。大変スリリングな展開と戦闘シーンには手に汗握り、また全編にわたって繰り広げられる友情と愛の物語には感動せずにいられません。これが全体の始まりに過ぎないという事を思わず忘れてしまうほど、一つの作品としての完成度も大変高いと言えるでしょう。私は通常の英語版、日本語版、そして劇場で公開出来なかった本来の長さのエクステンデッド版も購入して楽しんでいます。


"The Lord Of The Ring - The Fellowship Of The Ring" Frodo And His Sword "Sting"

ロード・オブ・ザ・リング

ロード・オブ・ザ・リング

  • アーティスト: ハワード・ショア, サントラ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/02/06
  • メディア: CD


 トールキンの原作(英語版、日本語版の双方)についてはまた改めてご紹介させて頂く事として、今日は音楽を中心にご紹介させて頂きます。巨匠ハワード・ショアーによるサウンドトラックは、聞くたびに涙が出そうになるほどの感動的な作品に仕上がっています。音楽を聴くとそのシーンが脳裏に浮かび、またそのシーンを見ると必ずサントラの音楽が頭の中に響いてくる...この映画で私達は、映像と音楽の大変幸せなコラボレーションを目の当たりにする事が出来ます。またそれぞれの作品に、そのテーマソングを歌うアーティストが配置されているのも大変効果的でした。今日はこの第一部のエンディング曲を歌っていた、アイルランドの歌姫、エンヤをご紹介させて頂きます。


A Day Without Rain

A Day Without Rain

  • アーティスト: Enya
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 2000/11/21
  • メディア: CD


 エンヤ (Enya、本名 Eithne Ní Bhraonáin または Enya Brennan、1961年5月17日生 ) は、世界的に活動するアイルランドの歌手そして音楽家です。カタカナであえて表記するなら、彼女の名前の発音は正しくはエニアになります。アイルランドの北部に生まれ音楽一家で育った彼女は、まずピアノを学びました。彼女の音楽的な基礎はクラシック音楽にあります。18歳の時に、彼女の兄姉が1970年代に結成した伝説的グループ「クラナド」(CLANNAD) に一時的に参加、脱退後のソロ活動は、イギリスのBBCのテレビドキュメンタリー番組「The Celts」のためのサウンドトラック(『エンヤ』)から始まりました。その後の活躍は目覚ましく、日本でも97年以降、アルバム『ウォーターマーク』(Watermark)からのシングルカット「オリノコ・フロウ」(Orinoco Flow)などが人々を魅了し、また2001年には日本の映画『冷静と情熱のあいだ』で楽曲が使用され大ヒットとなりました。2004年には、初めて日本語で歌った曲『菫草~SUMIREGUSA~』がCMソングとして発表されました。この曲は松尾芭蕉の「野ざらし紀行」をモチーフにしています。


アルバム『ウォーターマーク』(Watermark)のジャケット写真より。

Amarantine

Amarantine

  • アーティスト: Enya
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 2005/11/22
  • メディア: CD


 実はエンヤはトールキンの原作『指輪物語』の大ファンでした。これには後でご紹介しますが、トールキンの『指輪物語』制作の背景と深い関わりがあります。いずれにしてもエンヤはこの映画の為の曲を作るのを熱望していたそうで、2001年に「May It Be」という曲を提供、彼女のミュージックビデオにはLOTRの映像が一緒に流れていました。古いケルトの言葉をベースにトールキンが作ったと言われるエルフの言葉を織り込んだ歌詞と、その神秘的なサウンドと彼女の声がぴったりとマッチした素晴らしい曲です。映画の最後に流れる彼女の歌声に感動した方々も多いと思います。ケルト音楽の伝統を受け継ぎながら、クラシック音楽と現代の音楽性を融合させた彼女の音楽スタイルには、世界中のファンからの絶大なる支持が寄せられています。現在もマイペースで素晴らしい音楽を紡ぎ出しているエンヤ。去年の11月には新作、『アマランティン(Amarantine)』を発表、こちらも素晴らしいアルバムです。彼女の今後ますますの活躍が期待されます。

 明日は引き続き、LOTR映画について書いていこうと思います。(*'_'*)お楽しみに♪


スクール・オブ・ロック♪ [おきにいり]

 今日も引き続き、子供ロックが主人公の映画についてのお話です。(*'_'*)


スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション

スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • 発売日: 2004/09/17
  • メディア: DVD


 今日ご紹介の映画はこちら、全編にロックの名曲をフィーチャーした爆笑コメディー『スクール・オブ・ロック』です。日本では2004年に公開されたこの映画、アメリカのとある名門私立小学校が舞台です。友人になりすまして名門小学校の代用教員になったロック・ミュージシャンのデューイ(ジャックブラック)。教えることのない彼は、本業のロックの知識と精神を生徒達に話し始めます。生徒達もやがて興味を示すようになり、クラス全員でこっそりバンドバトルに出場することに。ありがちな学園もののストーリーにならないのは、やはりミュージシャンでもある怪優ジャック・ブラックの熱演と、個性的な子供達の名演があるからだと思います。生徒それぞれに役割が与えられ、ステージに立つメンバーだけでなく、マネージャーやセキュリティーなど裏方の大切さもしっかりと教えられています。ロック・ミュージックとの出会いを通じて子供たちが人間的に成長していく過程が、秀逸な脚本とロックへの愛に満ち溢れた劇中の音楽の数々によって、見事なエンタテイメントとして描かれています。


スクール・オブ・ロック

スクール・オブ・ロック

  • アーティスト: サントラ, スクール・オブ・ロック, ザ・フー, ノー・ヴァカンシー, ドアーズ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/04/07
  • メディア: CD


 この映画のもう一つの面白さは、随所に込められたロックの知識と蘊蓄(うんちく)でしょう。家族でファミリー映画としても楽しめると同時に、ロック音楽のコアなファンにも十分に楽しめる、にやっとさせるようなポイントも満載されている映画なのです。こちらが映画『スクール・オブ・ロック』サウンドトラック盤ですが、レッド・ツェッペリン(移民の歌、映画での使用は初)、クリーム(サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ)、Tレックス(ボールルームス・オブ・マース)、ザ・フー(サブスティテュート)、ドアーズ(タッチ・ミー)、ラモーンズ(ハンギング・アップサイド・ダウン)など1960〜70年代ロック黄金時代の名曲がずらりとそろっているのに加え、新世代のバンド、ザ・ダークネス(グロウイング・オン・ミー)なども入っています。映画のそれぞれのシーンにぴったりと当てはまっているだけでなく、ロックのファンには爆笑もののネタも満載です。主演のジャック・ブラックが歌う2曲のうちの1つは、AC/DCのカバー(ロング・ウェイ・トゥ・ザ・トップ)ですし、出演の小学生達によるバンド「スクール・オブ・ロック」はAC/DCの影響が色濃いものとなっています。堅物の校長先生が大好きという設定の、スティーヴィー・ニックスの「エッジ・オブ・セブンティーン」も収録されています。


ロンドン・コーリング

ロンドン・コーリング

  • アーティスト: ザ・クラッシュ
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2005/11/23
  • メディア: CD


 前回までご紹介の映画『Billy Elliot(リトルダンサー)』のサントラに登場していたTレックスも登場しますが、もう一つ重要な役割を果たすのはザ・クラッシュ(The Clash)です。最後の演奏シーン、ギタリストの小学生ザックの服装がなかなかカッコいいのです。彼はVウィングのギターを巧みに演奏しますが、その服装がそのままザ・クラッシュのパクリ(笑)なので、思わずにやっとさせられました。ザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』は前回の映画『Billy Elliot(リトルダンサー)』で使われていましたが、閉塞感のある社会の空気を打ち破ろうとするエネルギーを感じさせる、ザ・クラッシュの名曲ですね。こちらの映画では音楽としては使われていないのですが、誰よりもおとなしくいい子を演じていたザックが、ギターを弾く事で自分を解き放っていく、そこでザ・クラッシュのイメージが使われるのは絶妙だったと思います。この映画のプロデューサーも、主演のジャック・ブラックもロックが大好きな人達ですので、このあたり素晴らしい配置がなされています。ちなみに自分のバンドも持っているジャック・ブラック、最後に登場する服装はどう見てもAC/DCのパクリ(笑)なのですが、彼はAC/DCの大ファンらしいです、その辺りはぜひこの映画をご覧になって見てみてください。授業中の黒板にはロックの歴史が書き連ねられたりしますが、これもなかなかよく出来ています。アメリカの大学では実際にロックの歴史が講義されていたりしますので、そういった雰囲気もこの映画で味わって頂けたらと思います。


http://www.allposter.com "King Kong"

 さて、ここからは明日以降の予告です。実はここまで最近書いて来た作品の中で、それぞれ関係者が色々と接点があったりしますので、ここで少し整理したいと思います。まず映画『Billy Elliot(リトル・ダンサー)』のジェイミー・ベル君は、この『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックと一緒に映画『キングコング』で共演しています。古典的な名作『キングコング』を新しくリメイクする事は、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作で名実共に世界の映画監督となった、ピーター・ジャクソン監督の子供の頃からの悲願でした。今回その夢が実現された訳ですが、子役から脱皮中のベル君にとってもこの映画に参加出来た事は今後のステップを考えると重要だったと思いますし、乱暴なコメディアンという役から、個性派俳優へと転身中のジャック・ブラックにとっても、この映画への出演は大変意義のある事でした。ピーター・ジャクソン監督から見込まれての出演ですが、オーソン・ウェルズに似ているというのがその理由だったそうで、笑いなしのシリアスな演技で新境地を開いたと思います。


http://www.allposter.com The Lord of the Rings - The Return of the King

 実はこれだけではなく、最近私が書いて来た記事の中にも、色々と『ロード・オブ・ザ・リング』に関係する人達が、密かに登場していました。例えば前回ご紹介のザ・スタイルカウンシルのミュージックビデオにも、実は『ロード・オブ・ザ・リング』のガンドルフ役で有名な名優サー・イアン・マッケランが以前出演しています。そしてTレックスのマーク・ボランと最初にティラノザウルス・レックスを結成した人、スティーヴ・ペレグリン・トゥックの名前は、もちろん『ロード・オブ・ザ・リング』の登場人物、ピピンことペレグリン・トゥックからとられています。最近の記事でも、ファンタジー関連の作品についてずっと書いて来ていましたので、大好きな『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)』についていつか書かなければと、ちょうど思っていたところでした。明日からはそういう事で、トールキンの原作『指輪物語』と、ピーター・ジャクソン監督と『ロード・オブ・ザ・リング』に関係するお話について、しばらく書いていきたいと思います。お楽しみに。(*'_'*)


20世紀少年はブギが好き♪ [おきにいり]

 今日も引き続き『Billy Elliot(リトルダンサー)』収録の曲に関連したお話です。(*'_'*)


Billy Elliot

Billy Elliot

 イギリス北部の炭坑の街を舞台とした映画『Billy Elliot』では、主人公の男の子がバレエダンサーを目指して奮闘する物語が描かれています。武骨で男性的な文化の中で、男の子がバレエをするという事への偏見や、ある意味で上流階級の文化であるバレエをする事に伴って、さまざまな困難が生じる様子が描かれています。ここで改めて感じるのは、イギリス社会には階級という考え方や文化が、まだ根強く残っているという事実です。この映画は炭坑の街に端を発した有名な暴動事件をベースに作られています。映画の中で描かれるビリーのお父さんやお兄さんの苦悩と格闘は、70年代イギリス最悪の事件と言われたこの史実に基づいている訳です。社会的な閉塞感、また家庭の崩壊という危機に見舞われながら、そこで見られる家族の絆というものが、この映画の魅力の一つと言う事も出来るでしょう。イギリスの名作と言われる現代映画は、全て階級文化の名残りと社会問題の周辺から生まれて来ているように思います。こういった映画についてはまた随時ご紹介させて頂きたいと思います。


名作『スライダー(Slider)』のジャケットビートルズのリンゴ・スター撮影の写真。

 このような状況は、映画の中でさまざまな音楽と共に描写されています。まずバレエを習うという事自体の偏見と戦わなくてはならず、またその機会を得ても今度は費用の問題が生じ、習う為には遠くロンドンまで行かなくてはならない...イギリス最悪の不況といわれた当時、日々の生活にも苦労する家庭には到底不可能な問題ばかりが押し寄せて来ます。これはビリーの家庭ばかりではなく、その時代のイギリスの庶民の生活には等しく訪れた困難の時代でした。そんな中でも逞しく生きていこうとするビリー。それぞれのシーンにT.Rexの曲が効果的に使われています。Children of the Revolution(チルドレン・オブ・レヴォルーション、革命の子供達)、Get It On(ゲット・イット・オン、日本ではCMで使われて大変有名になりました)はそれぞれどうにもならない現実にビリーが立ち向かうシーンに、I Love To Boogie(アイ・ラブ・トゥ・ブギ)はダンスや日常生活の描写の中でとても効果的に使われています。当時、このブギーはマーク・ボランの代名詞ともなりました。私はこの曲がかかるシーンでの、ビリーのおにいさんの描かれ方が大好きです。彼はあの時代の若者達の代表として描かれているところがあると思います。

Cafe Bleu

Cafe Bleu

  • アーティスト: The Style Council
  • 出版社/メーカー: Polydor
  • 発売日: 2000/06/19
  • メディア: CD


 ここでサントラの中でやはり同様に使われている曲、Town Called Malice(タウン・コールド・マリス、悪意の街という意味で、ビリーが自分の怒りをダンスにぶつけて表現するシーンで大変効果的に使われています)、Shout To The Top(シャウト・トゥ・ザ・トップ)、Walls Come Tumbling Down(ウォールズ・カム・タンブリング・ダウン)を演奏しているグループ、The Jam(ザ・ジャム)とThe Style Council(ザ・スタイルカウンシル)をご紹介します。ザ・ジャム(The Jam、1977-1982年)は、イギリスのパンク&ロックバンドです。ポール・ウェラー(Paul Weller)を中心にロンドンで結成されました。モッズ(Mods)は1950年代後半から1960年代中頃にかけて、イギリスのロンドン周辺で流行した音楽やファッションをベースとしたライフスタイルを指します。パンク全盛時代にモッズスタイルを貫いたThe Jamは、イギリスで絶大な人気と支持を誇りました。このThe Jam解散後にポール・ウェラーが結成(1983年)したのがThe Style Councilです。

Sound of the Style Council

Sound of the Style Council

  • アーティスト: The Style Council
  • 出版社/メーカー: Universal International
  • 発売日: 2003/03/18
  • メディア: CD


  "Style Council"(スタイル評議会)という名前が示すように、あらゆる音楽を取り入れるという実験的なスタイルをとり、それまでのファンを大変驚かせました。前回ご紹介のザ・スミス(The Smiths)と同様に、1980年代にサッチャー政権下で不況にあえぐ若者達に絶大なる人気を博しました。バブル当時の日本では、おしゃれな音楽として認知された部分がありますが、本国イギリスでは特に前半の作品群で大変な人気と評価のあったグループでした。強い政治的なメッセージを含んだ歌詞も多く、このあたりが映画『Billy Elliot(リトルダンサー)』では意識的に使用されています。ポール・ウェラーの他の時代との比較で考えるとかなり異質な時期と今まで捉えられる事の多かったThe Style Councilですが、最近は後半の作品群も含めて再評価されています。非常に実験性の高かったこの時期を経て、ポール・ウェラーは再びソロとして活躍中です。


20th Century Boy: The Ultimate Collection

20th Century Boy: The Ultimate Collection

  • アーティスト: Marc Bolan & T. Rex
  • 出版社/メーカー: Hip-O
  • 発売日: 2002/08/20
  • メディア: CD


 特にイギリスの50年代以降の社会的な状況を考える際には、その音楽とポップカルチャーを抜きにしては語れないところがあります。映画『Billy Elliot(リトルダンサー)』では70年代前後の社会情勢を時代背景に、その時代の音楽が大変効果的に使われていたという事が出来るでしょう。これはイギリスだけに限らず、例えばアメリカや日本の音楽の歴史と社会の変化にも同様に見られる事です。特にイギリスとアメリカは同じ英語圏という事もあり、相互に色々な影響を与え合って来ました。そこからの影響がワンクッションおいて日本にも入ってくるという状況があります。そういう事で今日は最後に映画『Billy Elliot(リトルダンサー)』に関連してご紹介して来た、マーク・ボランとT.Rexの名曲"20th Century Boy(20世紀少年)"をそのコンセプトに持つ、日本のコミックについてご紹介させて頂きます。

 
http://spi-net.jp/20century/20century.html
『20世紀少年』の最初の頃のシーン。左側2コマ目にT.Rexのアルバムの絵があります。

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (2)

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (2)

  • 作者: 浦沢 直樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/05
  • メディア: コミック


 浦沢直樹による『20世紀少年』という現在連載中のコミックです。浦沢さんは『モンスター』『YAWARA』『マスター・キートン』などの名作と、現在やはり連載中の『プルートー』でも大変有名な漫画家です。その素晴らしい絵とストーリー構成で、その活躍は既にマンガの枠を超えているところがあります。私も大好きな『モンスター』はハリウッドで映画化される事が決まった様ですし、もともと手塚治虫の『鉄腕アトム』を原案にしたマンガ『プルートー』は、浦沢さんだからこそ、現代に新しくアトムを甦らせる事の許可が出たと言ってもよいでしょう。現在佳境に入っているコミック『20世紀少年』は、20世紀を生き残った主人公達が、人類滅亡をはかる「ともだち」と対決するという大変壮大な物語が展開されています。このコミックの舞台は1973年から始まりますが、この作品のタイトル『20世紀少年』は、マーク・ボランとT.Rexの名作"20th Century Boy"から取られたもので、実際に冒頭で主人公のケンヂが学校の音楽室でかけるレコードとして、T.Rexのこのアルバムが登場します。何かを変えたいけれど変えられない、そういった主人公の焦燥する気持ちが、T.Rexのレコードとそのタイトルに象徴的に表されています。


http://spi-net.jp/20century/20century.html 主人公ケンヂと、成長したカンナ。

 音楽に込められたメッセージによって社会を変えたいという動きが、もっとも盛んであったのも70年代だったと言う事が出来るでしょう。マーク・ボランとT.Rexは、その時代の1つの重要なアイコンとして描かれています。またコミック『20世紀少年』の中で、ケンヂのことばを通して子供時代のカンナに語られるのが、70年代を代表するイベントであったウッドストックの話です。浦沢さんはかなりの音楽ファンのようで、社会の閉塞感に苛まれながらも、何とか立ち向かっていこうとする人々について、うまく音楽をからめながら描写していると思います。このような70年代の文化や音楽への近年の再評価の動きには、おそらくさらに複雑化した今の時代に生きる私達から見た、ある種の牧歌的とも言える様な憧れが投影されているのではないでしょうか。『20世紀少年』の結末がどうなるのか、浦沢作品の1ファンとしても大変気になるところです。

 明日はこれに関連した別の映画と音楽をご紹介させて頂きます。(*'_'*)お楽しみに♪


コズミック・ダンサー♪ [おきにいり]

 今日も引き続き『Billy Elliot(リトルダンサー)』収録のT.Rexの曲に関連したお話です。(*'_'*)
 

http://www.allposters.com/ "Carl Sagan's Cosmic Calendar"

 コズミック(cosmic)という単語は、「宇宙の」「天体の」という意味、そして「無限大の」「広大無辺な」という意味を持っています。そしてケオティック(chaotic、カオス的な)に対して「調和のとれた」という意味がありますので、宇宙的で調和のとれたと言う形容詞となります。この言葉を歌詞に入れたというのは、当時の時代背景もあったと思いますが、やはりかなりのインパクトがあったのではないかと思います。今日ご紹介する曲は、この言葉がタイトルに入ったマーク・ボランの曲、コズミック・ダンサー(Cosmic Dancer)です。


Billy Elliot (2000 Film)

Billy Elliot (2000 Film)


 このオリジナル・サウンドトラックのジャケット写真は、オープニングに登場する大変印象的なシーンが使われています。ビリーが繰り返しジャンプするショットがスローモーションで流れますが、その背景に流れるのがこのT.Rexの曲、"Cosmic Danser"です。この歌詞が映画の内容にピッタリなのは、前回ご紹介の"Ride A White Swan"と同様です。エンディングと同様、このオープニングを観ると涙が出そうになるほど効果的なのです。私はこの映画を制作した人達は、実は最初からT.Rexの歌をもとにして映画のストーリーを作ったのではないかと考えています。映画を観ていると、主人公の成長を描いていくプロセスに、T.Rexの曲がとても効果的にマッチしているのがよくわかります。これには映画に描かれている時代の背景も関係しているのですが、これについてはまた明日ご説明させて頂きます。

My Early Burglary Years

My Early Burglary Years

  • アーティスト: Morrissey
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 1998/09/15
  • メディア: CD


 マーク・ボランのリリカルなボーカルが光るこの曲、"Cosmic Danser"は、実は私の大好きなザ・スミス(The Smiths)のモリッシー(Morrissey)もカヴァーしている名曲です。彼のアルバム"My Early Burglary Years"の中でライブ・ヴァージョンを聴く事が出来ます。モリッシーは、イギリス北部・マンチェスター出身のミュージシャンです。1980年代はザ・スミス(1982-1987年)のボーカリストとして活動しました。その自虐的とも言えるユーモアを交えた歌詞とキャッチーなギターラインで、サッチャー政権下で不況にあえぐ若者達に絶大なる人気を博しました。バンド解散後はソロとしての活動をつづけていますが、彼がライブでこの曲を歌った事、そして歌う彼への観客の歓声の大きさに、このマーク・ボランの名曲"Cosmic Danser"へのイギリスの若者達の思い入れの深さを感じ取る事が出来ます。


レジェンド・オブ・T・レックス

レジェンド・オブ・T・レックス

  • アーティスト: T.レックス
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2000/05/31
  • メディア: CD


 歌詞を訳すのは無粋かと思うのですが、Cosmic Danserの歌詞のアウトラインを敢えて訳せば、このような内容です。「ボクは子供の頃から踊っていた...生まれた時には踊っていたけど、そんなにすぐ踊るのは間違っているかい?...人の心に宿る恐怖を知るのは間違っているの?...おかしくなるのはどんな感じなんだろう...それは風船に似ていて...ボクは死へと踊っていたんだ...」...マーク・ボランの早い死をどうしても感じてしまう歌詞でもありますが、ある意味では私達全てが死に向かって生きている存在です。そう解釈すれば、この歌詞からは生の根源や創作のエネルギーのようなものも感じ取れるのではないでしょうか。


http://www.allposters.com/ The National Ballet of Cuba, 2001(C)Munoz

 踊りは太古からの人間の根源的な動きだといいます。そこに広がる宇宙的な広がりと調和の感覚。映画『Billy Elliiot』を観ると、このCosmic Danserの歌詞の味わい深さを改めて感じる事が出来ます。日本語のタイトル『リトルダンサー』を見ると何となく子供向けの映画の様な気がするかもしれませんが、決してそうではありません。一人の少年の成長物語でもあり、また家族の絆が大変よく描かれています。大人も子供も楽しめる、大変素晴らしい映画です。まだご覧になっていない方は、いつか是非ご覧になってみて下さい。

 明日もこれに関連したテーマでお届けしたいと思います。(*'_'*)お楽しみに♪
 


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